今回のお客様は奈良県香芝市の企業様です。洗車や散水を目的として掘り井戸をご依頼くださいました。地理的に山が近いので井戸には不利な条件です。岩盤に当たらないことを願って工事を行いました。
掘削予定地は事務所と通路の間。様々な危険性も予想される条件につき慎重に掘削スタート。
掘り始めていきなりガリガリ来たのでさっそく岩のお出ましかと少々焦りましたが、表層改良を施されているだけだったのでホッと一安心。その下は粘土性の強いシルト層。
延々と続くシルト層に苦戦。シルトは粘土と同様の性質を持っていて粒径が細かいため透水性が低くこの層に地下水が存在する可能性は低いです。ただ井戸には不利でも建築物を建てる土地としては地震で液状化しにくい優秀な地層と言えるのですが・・。シルトとシルトの僅かな隙間から地下水が出てくるもののとても細い。このシルト層の下に砂質土があれば良いのですがマイナス5メートルでもシルト層は続きました。
細いですが僅かな水脈が見つかったこと。またこれ以上の深さへ掘削を続ける事は危険と判断し、この深さでいったん堀り止めとします。土の崩れが起きないうちに塩ビの井戸管を立てて単粒砕石を16トン投入。その上は掘った土で埋め戻しました。今後、日にちが経過し水を汲み出し続けることで水量が増えれば良いのですが、もしそうならない場合は今回の井戸管の内部に鋼管を打ち込んで更に深く探ってゆく必要もあるかと思います。現在のところはいったんこれにて完了とさせていただきました。
