今回は何十年も使用されていない古井戸の再生です。お爺様の時代に活躍していた井戸をもう一度使えるようにしたいとご相談を下さいました。内容としては古いポンプと配管を撤去し、電動ポンプと新配管。また災害等における断水時には手押しポンプも使いたいとのご要望でした。

現状

古井戸の再利用 | 配管とポンプの交換で生活用水の確保
施主様のお爺様の時代に活躍していた古い井戸。もう何十年も水を出すことなく佇んでいましたが、令和の時代に再び活躍してもらうことになりました。

古井戸の再利用 | 配管とポンプの交換で生活用水の確保
井戸上部はスラブ施工されていますので見た目ではわかりませんが、井戸の形状は手掘りの丸井戸で直径は約90センチ、深さは井戸底まで6.5メートル。設置されていたポンプはなんとポンプの名品 津田式「ケーボー号」でした。ただ現在では交換部品の供給がありませんので勿体ないですが廃棄するより他ございません。また吸い上げの配管は中間に逆止弁を仕込んだ鉄管で経年劣化により大きく腐食が進んでました。

日本の名品 津田式ポンプ

1941年(昭和16年) 時の商工大臣 藤沢幾之輔氏から国産一級品との認定を受け、同年9月11日の官報で公示されました。津田喜次郎氏が開発した昇進式ポンプで整備性が高く、耐久性と汲み上げ力が際立つ国産ポンプの名品です。

新配管

古井戸の再利用 | 配管とポンプの交換で生活用水の確保
今回は塩ビ製の配管。電動ポンプに加えて断水時には手動ポンプが使えるように接続口を付けています。

農業用100V電動ポンプ

古井戸の再利用 | 配管とポンプの交換で生活用水の確保
井戸水の主な用途が庭木への散水という事でしたので、一般的な井戸ポンプよりもずっと強力な農業用ポンプをチョイス。主にビニールハウスなどでの散水に用いられる強力型で、100ボルト小型軽量ながら高揚程50m吐出量120リットル/minを実現しています。

井戸は財産 無料で使い放題、年中定温

古井戸の再利用 | 配管とポンプの交換で生活用水の確保
水温は年中15度、夏は冷たく冬は暖かい無料で使い放題の水です。もしやの断水時には家族の生活を守ります。そこで暮らす家族にとって井戸は財産なのです。

スラブ施工され訪問時は中が見えない状態でしたので、この井戸は生きているのか?施工当日に穴をあけて確認するまでとても心配でしたが、幸いこちらは水源に恵まれた地域のようで本当に良かったです。数十年ぶりに復活した井戸も活躍の場を与えられきっと喜んでいることと思います。使えば使うほどに水量も水質も良くなるのが井戸ですから、庭木の散水を中心に大いにご活用なされて下さい。

今回、古井戸再生のご相談を当社に下さいましたこと、心から感謝しております。施主様と奥様のご健康、ご多幸を切に願っております。ありがとうございました。

井戸のQ&A