今回のご依頼者さまは奈良県桜井市、大神神社のほど近くで稲作を営まれておられる農家様。近年は稲作で大量に必要となる用水路の水もままならない状況となってきたので、それなら田んぼに井戸を掘ってその地下水でお米をつくりたいとのご要望です。自身の経験上、田んぼでの井戸掘りは比較的容易でたっぷりの水量に恵まれる場合が多く、今回も安易に考えてましたが予想外の展開に自身のスキル不足を痛感させられる施工となりました。

田んぼに井戸掘り 三度の失敗、四度目にてようやく
周囲の環境から見ても簡単に水が出るであろう景色。山が近いことが少々気になってはいましたが、悪い予感は的中しました。

田んぼに井戸掘り 三度の失敗、四度目にてようやく
一度目は鋼管打ち込みにて9m掘削するもまったく水は出ず。二度目も鋼管打ち込みにて4.5mで水が出るもののあまりに少量で、これではとても稲作には使えず断念。

田んぼに井戸掘り 三度の失敗、四度目にてようやく
三度目は農地で実績のある水圧で掘るバズーカで挑戦するも、すぐ下にある礫層が強硬で掘り下げられない。三人がかりで交代しながら丸一日掘り続けましたがどうしても突破できず断念。

田んぼに井戸掘り 三度の失敗、四度目にてようやく
バズーカで吹き出した大量の砂は申し分ないものの、この砂の層に滞水は見られず断念するしかありませんでした。

田んぼに井戸掘り 三度の失敗、四度目にてようやく
矢太郎を使った打ち込みしか礫層は突破できないと判断し、再び鋼管打ち込みに変更。四度目こそは失敗出来ないと決意し、鋼管を打ち込む前にテスト掘りを行って正確な水脈の位置を調べたうえで矢太郎を打ち込み。四度目にしてようやく成功、地下水をゲットできました。

田んぼに井戸掘り 三度の失敗、四度目にてようやく
手こずった現場だけに水が出たときの嬉しさもひとしお。一緒に頑張ってくれた当社スタッフの安田も喜んでおります。

今回焦った要因は田植えの時期が迫っていた事。でも一番焦っておられたのは私たちよりも施主様だったと思います。水が出て、田植えに間に合って本当に良かった。大地の恵みに感謝です。この水を使っての豊作を心から願っております。