

思いのほか浅いところで水脈が存在することも多いものです。大ざっぱにだいたいで打ち込んでいくと、うっかり水脈を超えてしまって水が出ない結果になってしまう事も少なくありません。当社では50センチ(ベストは25センチです)打ち込むごとに水脈チェックを推奨します。
矢太郎Proの詳しい作業説明
いきなり打ち込まずにスコップ(できれば複式ショベルや縦スコップなどと呼ばれる穴掘りスコップが使いやすいです)などで可能な限り深く地面を掘ります。広さは10センチ四方で十分ですが、深さは50センチくらい掘れれば万全です。最初に手で掘る理由は上層部には石やコンクリート片などの障害物がよくあるためです。また地中に埋まっている配管や配線を避ける意味でも有効です。(矢太郎Proを2m程度打ち込んだあとは埋め戻した方がその後の作業がやりやすくなります)

吸水用の穴があいている先頭管に矢じりを取り付けてパイプレンチでしっかりねじ込みます。矢じりを取り付けるネジ部分にはシールテープは不要です。

鉄ソケットに叩き管(長さ10cmくらいの短い管です)をねじ込んでから先頭管に取り付けます。電動ハンマをご使用される場合はネジ部の焼付き防止にクレ5-56などをスプレーして下さい。

打ち込みに使いやすいのは当社オリジナルの井戸打ち専用設計のホウワハンマーです。慣れている人なら大ハンマーや掛矢でも打込み可能ですがその場合は少々パワー不足なのと的を外して怪我をしないように十分注意されて下さい。また、お近くの建設機械レンタル店などで電動ハンマーや杭打ち機をレンタルされると効率的です。その場合のアダプターについては株式会社清水製作所のRAKUDAで矢太郎Proは穴内径45φの品番10146、矢太郎Pro50なら穴内径62φの品番10110が適合します。
また最初の2mを打ち終わるまでは斜めにならず垂直に打ち込むことにも注意して下さい。あれば便利な道具としてポールを立てる用の水平器があります。当社が使っているのは1,000円ちょっとで売っているED-POSMBというエビスのポストレベルです。



先頭の1メートルが入ったら叩き管を外して1本目と2本目のネジ部分に付属のシールテープを巻いてねじ込みます。ここが大切なのですが、ジョイント部の締め込みはパイプレンチを使ってしっかりガチガチに締め込んで下さい。理想的なのは鉄ソケットの中で管同士が接触するほど締め込むことなのですが、なかなかそこまで締まらなくてもそれに近いくらいガッチリ締め込んで下さい。(締め込みが甘いと打込み途中に緩んで破損したり、空気を吸って水が上がらなかったりします)
※パイプレンチについては大型のものを2つご用意下さい。2つ必要な理由はともまわり防止のためです。ただ大型のパイプレンチって買うと以外と高価なのですが、当社では税込み5,500円、2個セット10,000円とお安く販売しております。長さ520mmで使いやすくて頑丈なものです。
パイプレンチとシールテープの巻き方
③④⑤を繰り返して2.0メートルまで打込みを完了させて下さい。
早ければ深さ2.0メートルくらいから水脈に当たって水が出ることがあります。しかも浅いところで出る水は良質な水の場合が多いものです。水道ホースを井戸管の先端まで確実に突っ込んで水道を全開で井戸管の中に入った土を洗い出すのですが、この時に中から出てくる土に注目です。土や泥なら期待は薄いですが砂や礫が出てきたら期待有りです。地下水(井戸水)は必ずと言っていいほど砂や礫など水を通しやすい地質の層に滞在してます。ホースが引っかかってうまく入らない場合はホースに塩ビ管をつなぐと良いです。一般的な15mmのホースならVP13塩ビ管がぴったり差し込めます。
出てくる水が透明に戻ったら井戸管の中をすべて洗い出せた証です。ホースを引き抜いてから井戸管の上まで水を注ぎ、井戸上にある水に大注目。注ぐのをやめた途端、管の中に水が引き込めば水脈に到達した可能性が高いです。水が上に溜まったままで、1ミリもまったく下へ下がらないようなら水脈にはまだ到達していないと判断し⑨に進みます。(ここの判断は慎重にお願いします。ジワジワっとでもほんの少しでも下がったなら念の為ポンプを付けて吸い出してみて下さい)
地下水が湧いているかを確かめる別の方法としてエアーコンプレッサーを使う方法も有効です。エアーホースを井戸管の底近くまで差し込んでエアーを放出します。水脈に届いていると、ガボッガボッと継続して水が噴出します。この方法はエアーリフトと言い水脈の判別だけでなく、砂や泥などを一緒に排出させたり、井戸の水量を増やす意味でもかなり有効な方法です。
ここからはご面倒でも50センチ打ち込むたびに⑧で行った井戸管洗い出しと水脈チェックを繰り返し、水が下に引き込むまで繰り返します。(幅の狭い水脈を逃さずとらえるために本当は25センチ単位でのチェックがよりベターです)