吸い上げるというかたちのポンプでは深さ7〜8メートル程度が限界となります。手押しポンプ、電動ポンプ、エンジンポンプ問わず吸い上げるタイプでの深さ限界を超えてしまった井戸用のポンプとして開発したのがエアーリフト式の「しずかちゃん」です。構造は単純で、出しっぱなしでもほとんど電気代もかかりませんので現在では融雪用として多くのお客様からご購入いただいております。しずかちゃんの良い点として①ほぼ無音 ②安い電気代 ③トラブル無し ④安価な導入費用 ⑤井戸の調子が良くなる(水量も増える)など良い点がたくさんあるこのポンプですが、今回は大阪府堺市でご自宅横の菜園に矢太郎Proを打ち込んだものの水脈が深くて11メートルとなりました。このような理由でポンプの限界を超える深さでも水を揚げることが可能なしずかちゃんを施工いたしました。
深さ8メートルを超えると水をあげることが出来ない理由
理科の授業で聞いたこともあるかも知れませんが絶対真空(トリチェリーの真空)があるからです。絶対真空は水銀を76cmだけ吸上げることができるのですが、これを真空度760mmといい、この状態以上の真空はないので絶対真空と呼ばれます。そして水銀を水に置き換えて計算します。水銀の重さは水の13.6倍あるので76cm×13.6=1033.6cm=10.336mと水ならば絶対真空で約10m上がってくる計算になるのですが、これはあくまでも絶対真空が作り出せる環境での話です。市販のポンプではこれほどの真空状態を作り出すことは到底不可能で6mからせいぜい8mまでが限界となります。
誰もが御存知の通り私達が暮らす地上は1気圧(1013ヘクトパスカル)の大気を受けています。コップのジュースをストローで吸うとジュースが上がって口に入ってくるのはストロー中の空気を吸って真空を作り、大気の圧力を利用してジュースを飲んだということです。人間の口と肺がポンプの役目を果たしてジュースを飲んだことになります。
当社では8mを大きく超えるような深さになってしまった場合は吸い上げるタイプのポンプではなく、空気を送って水をあげるエアリフト式(しずかちゃん)をおすすめしております。
井戸深さ8mを超えれば「しずかちゃん」

大阪府堺市。思いの外水脈までが深く、矢太郎Proを11m打込みました。

施工してまもなくなので茶色の水が出ています。一週間もすれば無色透明になり、日に日に水量も増えてきます。ポリバケツで水を受けて、あふれる水はオーバーフローさせます。暑い真夏でもバケツの水は水温15度をキープです。
エアーポンプには安永のAP-120Nを使用

安永(ヤスナガ YASUNAGA) エアーポンプ AP-120N [浄化槽 エアーポンプ エアポンプ ブロワー ブロアー]です。定格風量120(ℓ/min)で入力(W) 91と省電力なので電気代の心配もいりません。